老犬の「震え」は何が原因? 対処法や必要なケアなど

2023.03.11
老犬の「震え」は何が原因? 対処法や必要なケアなど
老犬になってから、よくプルプルと体を震わせるようになり、気になっているという飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。いったいどうして老犬の体は震えるのか――その原因はさまざまで、生理的に生じる震えもあれば、病気が原因となっていることもあります。老犬の震えにどのように対処したらいいのか、原因や注意したい症状についてまとめました。ぜひ、参考にしてください。
目次



老犬の震えの原因


老犬がどうして震えるのか、その原因は大きく3つに分けることができます。

ひとつは「寒さ」のように、体が生理的に反応してしまうもの。人間も寒いときにはぶるぶると震えて体温を上げようとしますが、犬にもそれと同じことが起こります。寒さに強くない犬種の場合、ほんの少し気温が下がっただけでも震えてしまうことがあるのです。

さらに老犬の場合は、高齢になり筋力が弱っているため震えてしまうことがあります。例えば、足腰の筋力が弱っているのに頑張って立ち上がろうとしたことで震えがきたり、排尿や排便のときに踏ん張ろうとして震えてしまったり。衰えている筋肉の力を必死に使おうとするために震えてしまうということです。年をとると体温調節機能が上手に働かなくなるため、低体温になって震えてしまうこともあります。

ふたつめの原因は、精神的なものです。例えば、不安や恐怖を感じて震えることがあります。動物病院に入ったら、過去の診察のつらさを思い出して震えたり、引っ越しで生活環境が変わって不安を感じて震えたりといったことが一例です。また、犬も年をとるにつれ視力や聴力が衰えます。これまでのように見えない、聴こえないといった状況が愛犬にとって大きな不安要因となり、震えにつながることもあるのです。

最後の原因は、病気によるもの。脳や神経系の病気、ホルモンバランスや代謝の異常、発熱や中毒など、病気による震えの原因はさまざまです。痙攣発作を起こして震えることもあれば、ケガや内臓疾患で生じる痛みのために震えることもあります。そのほか、特定の病気が原因というわけではなく、老化による体調不良が「震え」という症状となって出ているケースもあるようです。

老犬の震えに伴う注意したい症状


老犬が震えているとき、次のような症状が伴うことがあります。その場合は、注意が必要です。

まず、嘔吐や下痢が見られるとき。実際に吐いたときはもちろん、吐きたそうな様子が続いているときも要注意です。それ以外には、震えながら意識が朦朧としてきたり、意識をなくしてしまったりという状態、発熱や低体温など体温に異常が生じている状態、ハァハァと呼吸が苦しそうな状態も、危険信号ととらえて差し支えありません。

震えに付随してこのような症状が見られたときは、病気やケガである可能性が高く、速やかに動物病院で診察を受けないと手遅れになってしまうことも考えられます。夜間に症状が現れ、緊急性の高さが感じられたときは、救急病院を受診することも視野に入れてください。あらかじめ、近くにある夜間救急の動物病院を調べておくと安心でしょう。

老犬の震えの対処法


では、老犬に震えが見られたときには、どのように対処したらいいのか、具体的な方法を知っておきましょう。
部屋を暖める
寒さが原因で震えている場合は、部屋を暖めることが基本です。暖房器具で調節するほか、ペット用の湯たんぽやホットカーペットも効果的。低温やけどに気をつけて使ってみましょう。
散歩などの適度な運動
できるだけ筋力の衰えを遅らせ、現在の状態を維持するためには、適度な運動が欠かせません。お散歩は、日々の運動として無理なく生活に取り入れることができるもの。ただし、急こう配の階段や坂道は、筋力の弱った老犬にとっては負担がかかります。歩きやすい道を選び、愛犬のペースに合わせることを心がけましょう。
獣医師の診察を受ける
震えに先ほどお伝えした注意したい症状が伴うとき、病気が疑われるとき、原因がよくわからないときは、動物病院を受診し、獣医師の診察を受けましょう。病気が見つかれば治療ができますし、そうでない場合でも獣医師のアドバイスは飼い主さんにとって役に立つはずです。

老犬の震えへの必要なケア


では、老犬の震えに対して、飼い主さんとしてはどのようなケアができるのでしょうか。一緒に考えてみましょう。

ひとつは、日ごろから声をかけスキンシップをはかることです。これは、精神的な原因による震えにも効果的。愛犬も喜んでくれますし、スキンシップを習慣にすることで、ちょっとした愛犬の変化にも気づきやすくなります。

足腰が弱って踏ん張りがきかなくなっている愛犬のためには、滑りにくい床材に変えたり、マットやカーペットを敷いたりなど、生活環境を見直すこともポイントです。その際、ぜひ視力や聴力が衰えていたら何が不安材料になるのだろう……と、愛犬の立場で想像してみてください。愛犬が安心できる環境を整えることで、震えも軽減されるのではないでしょうか。


老犬になってから震えるようになってしまったという場合、飼い主さんは状況をよく観察し、思い当たる原因があれば取り除いてあげましょう。原因がよくわからない場合や、震え以外の症状が伴うというときは、獣医師の診察を受けることが大切です。どうぞ老犬と健やかな日々を過ごしてくださいね。
監修者プロフィール

牛尾 拓(ウシオ タク)

経歴:岩手大学農学部獣医学課程卒業。動物病院勤務、製薬会社の学術職などを経て株式会社V and P入社
保有資格:獣医師免許



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