猫用サプリにはどんなものがある?
猫用サプリを与える理由
そもそも、どうして猫用サプリが開発され、使われるようになってきたのでしょうか。そこに猫用サプリを与える理由が見えてきます。
猫用サプリは、いつもの食事だけでは不足してしまいがちな栄養素を補給する補助食品です。例えば毛艶や腸内環境は、食事で摂取できる栄養成分に左右される面があります。また、猫に多く見られる腎臓疾患や肝臓疾患では、特定の栄養素に対する配慮が必要です。
食事に猫用サプリをプラスすることで、愛猫の状態により合った栄養を補助することができるのが、猫用サプリを与える理由と言えるのではないでしょうか。
猫用サプリの種類
では、具体的にどのようなサプリがあるのかについて、見ていくことにしましょう。
まず含まれている成分で種類を分けることができます。例えば、タンパク質を補給できるアプリ、乳酸菌、アミノ酸、脂肪酸を補給できるサプリなど、いわゆる栄養成分を強化したサプリです。
なぜ栄養成分を強化しているのか、タンパク質を例に挙げてみましょう。タンパク質は、肉や魚に含まれている栄養素ですから、猫用フードにも多く含まれているものです。そして、毛、筋肉、血液など、体づくりに欠かせない栄養素でもあります。そこで食事以外でも補給して、健康的な体づくりに役立てようというわけです。
乳酸菌やアミノ酸、脂肪酸などは、食事だけでは必要量が摂取しにくい栄養素でもあります。食が細かったり食べムラがあったりするなど、愛猫の栄養状態が気になるときにサプリがあれば、栄養素を補給することができます。
愛猫の体調に合わせたサプリもあります。例えば毛艶がよくない猫のためのサプリ、アレルギー疾患がある猫のためのサプリ、肝臓の病気や腎臓の病気を抱えている猫のためのサプリなど。特徴は、体調の悩みをサポートするための栄養素を配合していることです。そのほか、ストレス緩和、ダイエット、関節ケア、免疫力の低下、老化対策などをサポートするサプリも販売されています。
なお、サプリの形状は粉状や粒、カプセルなどさまざまなタイプがあります。
猫用サプリの選び方
次に愛猫に与えるサプリの選び方について確認しておきましょう。ひとつは、猫用のものを選ぶことです。例えば乳酸菌やアミノ酸などのサプリは、人間用にも売られています。しかし、たとえ手元にあったとしても、愛猫に与えることはご法度です。そもそも人間と愛猫では体格が違いますから、成分の必要量も異なります。また、人間には安全な成分であっても、愛猫にとって安全とは限りません。
もうひとつ気をつけたいのは、品質チェックです。愛猫の体内に入るものですから、原材料もしっかり確認したいところです。できれば、原材料の購入から出荷まで厳しく品質管理がされているGMP認定のもの、動物病院専用として販売されているもの、猫用フードやグッズで実績のあるメーカーのものなどを選ぶとよいでしょう。パッケージに記載されている成分にも目を通し、添加物が少ないものを選ぶことも大切です。
どうしても自分で判断がつかない場合は、獣医師に相談してみましょう。愛猫の状態に合わせたサプリを選んでもらえますし、動物病院で扱っているサプリであれば信頼もできます。
猫にサプリを与える際の注意点
愛猫にサプリを与えるときに気をつけたいことも合わせて確認しておきましょう。
ひとつは、製品に記載されている容量や用法はきちんと守ることです。サプリは栄養補助食品ですが、与えれば与えるほど健康になるというものではありません。過剰な接種が愛猫の体に負担をかけることもあることを念頭に置いておきましょう。愛猫にとって必要なものを、必要なだけ与えるというのがサプリを与える基本です。
また、猫によってはサプリを与えた後、調子を崩してしまう可能性があります。人間も同じですが、どうしても体質的に合う・合わないがあり、それは致し方のないこと。事前にわかればいいのですが、試してみてわかることもあります。サプリを与えた後は、食欲や排便・排尿の変化はないか、行動にいつもとは違う様子が見られたりはしないか、注意して観察することを心がけてください。
もし、気になる症状が見られたときには、サプリを中止し、必ず獣医師に相談しましょう。自己判断はしないことが大切です。
愛猫の健康や体づくりをサポートするサプリ。獣医師と相談しながら、愛猫の体調管理や健康維持のために高品質なサプリを選び、与えてみませんか? 飼い主さんにとっても、愛猫の健やかな日々は喜びにつながることでしょう。
もし「せっかくサプリを買ったのに、なかなか食べてくれない」というときは、「猫の薬の飲ませ方とは? 嫌がる場合の対処法も」の記事も参考にしてみてくださいね。
- 監修者プロフィール
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牛尾 拓(ウシオ タク)
経歴:岩手大学農学部獣医学課程卒業。動物病院勤務、製薬会社の学術職などを経て株式会社V and P入社
保有資格:獣医師免許