老猫がトイレを失敗するようになった際の対策

2022.11.07
老猫がトイレを失敗するようになった際の対策
「老猫」と呼ばれる年齢になると、体調や行動に変化が見られるようになります。トイレの失敗もそのひとつ。今までは上手にトイレを使っていたのに、尿が周囲に飛び散ってしまったり、トイレ以外の場所で粗相をしてしまったりということが起こるケースもあります。これはちょっと困りモノですよね。どのように対策をしていったらいいのでしょうか。
この記事で、老猫のトイレについて解説します。
目次


老猫がトイレを失敗してしまうようになった!


子猫や成猫はトイレのしつけがしやすい動物と言われています。トイレを用意してうまく誘導すれば、その日のうち、少なくとも2日〜3日でトイレを覚えてしまうほど。そして、いったん覚えてしまえば、よほどの事情がない限り用を足すときはトイレを使うようになります。

ところが老猫になると、トイレの失敗、いわゆる粗相が目立つようになってしまうケースもあります。もちろん、すべての老猫に当てはまるというわけではありませんが、決して珍しいことではありません。それまでできていたことができなくなると、「どうして!?」と飼い主さんは焦ってしまいがちですが、落ち着いて対策を考えていきましょう。

老猫がトイレを失敗してしまう原因


まずは、どうしてトイレを失敗するようになったのか、原因から探ってみましょう。原因はいくつか考えることができますが、トイレの失敗は泌尿器系の疾患が潜んでいるサインとして現れることがあります。特に老猫の場合、今まではなかったトイレの失敗が急に目立つようになったら、動物病院に相談した方が安心です。
診察の結果、異常が確認されなかった場合は次のことを確認してください。

まずチェックしたいのが、設置しているトイレのふちの高さです。老猫になると、足腰の筋肉も弱りますし、関節に痛みを感じることも増えてきます。すると、それまでは問題なくまたぐことのできたトイレであっても、足が上がらずまたげなくなってしまうのです。

トイレの近くまで行っているのにソワソワしてトイレに入ろうとしないとき、明らかに足腰が弱っていると感じられるときは、老猫にとってトイレのふちが高すぎる可能性があります。

トイレの大きさも点検してみましょう。トイレが小さいと、尿がトイレの外に漏れてしまうことがあるからです。老化によって関節に痛みが出てきた場合、しっかりしゃがむことができず腰を高くしたまま排尿してしまい、トイレの周囲に尿が飛び散ってしまうことも。

トイレの場所や数が関係している場合もあります。例えばトイレの位置が遠いところにあると、機敏に動けなくなった老猫にとっては移動が負担になっているかもしれません。

愛猫がきれい好きの場合は、トイレの清潔さも重要です。掃除が行き届いていないとトイレを使うことをいやがり、ほかの場所でするようになってしまいます。これがクセになることもあるので、注意が必要です。

その他には、トイレにストレスを感じている可能性が考えられます。例えば、騒がしい場所や人の出入りの多い場所にトイレがあるので落ち着かない、トイレが屋根つきタイプのため老猫にとって圧迫感がある、猫砂の感触が気に入らないなど。特に猫砂をそれまで使っていたものから変更するといやがってトイレを使わなくなることがあります。

老猫がトイレを失敗してしまう場合の対策


原因がわかれば、それに応じた対策を取ることができます。

トイレのふちの高さ、大きさ、形状に原因がある場合は、トイレを変えてみましょう。ふちが高い場合は低いタイプに変更したり、周りに踏み台になるものを設置したりして、トイレに入りやすいようにします。そのほか、サイズを大きくする、屋根を取りはずすなどして様子を見てください。

トイレが遠いところにある場合は、近いところに場所を変えるか、数を増やします。置き場所の環境も老猫が落ち着くように整えて、常に清潔を心がけましょう。

トイレに入ってもすぐに出てきてしまう、トイレまで行くのに入ろうとしないというときは、猫砂が好みに合わないのかもしれません。猫砂にもさまざまなタイプがあるので、根気よく老猫に合ったものを探してみましょう。

それでもトイレ以外の場所でしてしまう場合は、動物病院へ。腎臓病や膀胱炎を患っているかもしれません。また、粗相を改善するための薬を処方してもらえることもあります。

認知症や体の不具合でどうしてもトイレに間に合わないとわかったら、ペットシーツや紙おむつの使用も検討してみましょう。ただし紙おむつは、老猫にとってストレスになることもあります。夜、就寝時だけ装着するなど、使い方を考えて老猫の負担を軽くすることが大切です。

なお老猫は、自分の尿のにおいのついているところをトイレと認識しますから、粗相をしたときには、においが残らないように掃除をしておきましょう。また、粗相をしても叱らないようにしてください。いつも叱られているとさらなるストレスとなり、粗相が悪化してしまうこともあります。


老猫のトイレの失敗は、決して珍しいことではありません。トイレの失敗が頻繁になってきたら、上記を参考に原因を探してみてください。トイレのふちの高さなど、気づきにくいところに失敗の原因があるかもしれません。そのうえで、適切に対処していきましょう。
いろいろ対策をしてもうまくいかないときは動物病院を受診することも検討してくださいね。


【監修者プロフィール】
牛尾 拓(ウシオ タク)
経歴:岩手大学農学部獣医学課程卒業。動物病院勤務、製薬会社の学術職などを経て株式会社V and P入社
保有資格:獣医師免許
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