老猫は便秘しやすい? 原因や対処法を解説

2022.11.09
老猫は便秘しやすい? 原因や対処法を解説
愛猫も人間と同じように便秘をします。特に年をとって老猫になるにつれてその傾向が強くなるため、飼い主さんとしては、便の回数や状態にも気をつけたいところです。そして、便秘であることに気づいたら、適切に対処してあげましょう。こちらの記事で、老猫が便秘をする原因、便秘をしたときの対処法についてお伝えします。
目次


老猫は便秘をしやすい?


子猫や成猫の便秘も決して珍しいことではありませんが、11歳以降、つまりシニア期にさしかかると便秘になってしまう老猫が増えるとされています。老猫は、年を重ねると関節に不調を抱えたり筋肉が落ちたりして運動不足になりますし、病気をして体調不良に陥ることも多くなってきます。それに伴い、便の状態も変化していくということです。ふだんから、老猫の便の回数や状態をチェックしておくと、便秘にも気づきやすくなります。

老猫の便秘の症状


では、老猫にどのような様子が見られたら「便秘」と考えられるのでしょうか。ひとつずつ確認していきましょう。

ひとつは、排便のリズム、つまり回数はどうかです。排便の回数は個体差がありますが、一般的に多いのは1日に1回~2回、少なくとも2日に1回は排便するというパターン。そのため、2日以上便が出ていないときには、便秘が疑われるということです。

なんとか便は出ているものの、硬くてコロコロしている、便の量が少ないという場合も、便秘の可能性があります。

また、トイレに行って便を出す体勢を取っているものの力むばかりで便が出ないとき、便が出しにくそうなときも、便秘かもしれません。排便しようとしながら苦しそうな鳴き声を出すこともあります。

老猫の便秘の原因


では、どうして老猫は便秘になるのでしょうか。いくつか考えられる原因を、ひとつずつ見ていきましょう。

ひとつは、水分不足や脱水です。猫は砂漠地帯に住んでいた動物ということもあり、少ない水分でも生きていけるように体がつくられています。そのため、猫はあまり水を欲しがらず、水分不足になりやすいのです。これは猫の宿命とも言われていますが、ほどよい水分がないと、便は硬くなってしまいます。

運動不足も原因のひとつです。関節に不調を抱えていて、動くと痛みを感じる老猫が少なくありません。そのためあまり動かなくなり、運動不足になっているのです。運動量が減ると、腸をはじめとした内臓の働きも弱くなり、結果として便秘になってしまいます。

あるいは、トイレの掃除が行き届かず汚れている、周りがうるさくて落ち着いて排便ができない、引っ越しをしたなど、老猫にとってストレスがかかる環境が便秘を引き起こすこともありますし、誤飲や誤食で便秘になることもあります。

そのほか、毛球症、腎臓病、巨大結腸症などの病気も便秘の原因です。毛球症というのは、毛づくろいをして飲み込んだ毛が体内でかたまりになってしまうこと。通常であれば、吐き出す、もしくは便とともに排出するというかたちで取り除かれますが、時にはうまく出せないことがあります。すると、食欲不振、下痢、嘔吐のほか、便秘症状が見られることがあるのです。

腎臓病は、老猫の多くがかかる病気といわれています。腎機能が低下すると体内の水分が不足し、便秘の原因となります。また、巨大結腸症を患うと、結腸の蠕動運動が低下し、便が送り出せなくなります。こうなってしまうと、自分の力で排便することはできませんから、動物病院で治療を受けることが必要不可欠です。

老猫の便秘の対処法


わが家の老猫が便秘をしているようだと気づいたら、どのように対処したらいいのでしょうか。

お伝えしたように、便秘の原因はひとつではなくさまざま。ですから、まずは動物病院に連れて行き、獣医師の診察を仰ぎましょう。もしかしたら、病気が潜んでいるかもしれません。そうであれば、受診してすぐに治療を受けることができますし、病気でない場合でも、腸内環境をととのえるサプリメントの紹介など、便秘改善につながるアドバイスをもらうことができます。病院で特に問題が見つからなかった場合は、次のことを試してみましょう。

まずは、フードの見直しです。便秘の老猫に対応したフードも出ていますが、チェックしたいポイントは2点。食物繊維が含まれているかどうかと、バランスよく栄養がとれるフードかどうかです。特に老猫の場合、栄養バランスへの配慮は欠かせません。

フードの横には常に新鮮な水を用意し、欲しがったときにはいつでも飲めるようにしておくことも大切です。水飲み場を何カ所か作っておくことも効果的。食事にウェットフードをプラスすれば、フードから水分をとることもできます。

トイレに問題があると考えられる場合は、清潔を心がけると同時に、老猫にとっての使いやすさ、快適さも見直してみましょう。そのほか、老猫がいやがらなければ、お腹のマッサージもおすすめです。腸のあたりをゆっくり「の」の字を書くようにさすってみてください。


老猫になると、さまざまな不調が体に現れるようになります。便秘も、代表的な症状のひとつ。老猫の便が硬くてコロコロしている、排便しにくそうなどの様子が見られたら、回数も含めて便の状態をチェックしてみてください。そのうえで、動物病院に連れて行き、獣医師に相談してみましょう。また、フードや水、トイレの環境改善など、老猫の便秘解消のために飼い主さんができることにも取り組んでみてくださいね。
監修者プロフィール

牛尾 拓(ウシオ タク)

経歴:岩手大学農学部獣医学課程卒業。動物病院勤務、製薬会社の学術職などを経て株式会社V and P入社
保有資格:獣医師免許

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