老犬の夜鳴きは病気のサイン? 原因や対処法を徹底解説!
2022.10.24
愛犬の高齢化に伴って、夜鳴きに困るという飼い主さんも多いことでしょう。夜鳴きは人も睡眠不足となって生活に支障が出るうえに、ご近所への騒音トラブルに発展することもあります。そんな悩みを抱える飼い主さんにとって、なぜ愛犬が夜鳴きをするのか原因を知ることは大事です。この記事では、夜鳴きの原因として考えられる4つの症状と対策について詳しく解説していきます。
床ずれの痛みから体勢を変更してほしかったり、関節などの病気による体の痛みに苦しんでいたりして夜鳴きをすることも。日頃から痛みが生じていないか、違和感のある動きをしていないかなどを観察してみましょう。
また、日中生活の見直しが夜鳴き改善につながることもあります。歩けるようだったら散歩の量を増やしたり、運動したりして体のバランスを整えてあげましょう。適度な運動は生活リズムが整い、夜間に眠りやすくなります。日光浴もおすすめです。日光を浴びることでセロトニンが分泌され、安眠効果が期待できます。
また、飼い主さんが愛犬の近くで寝る環境に変えてみることも夜鳴き解決策になります。飼い主さんが愛犬のそばで寝ると、排せつトラブルや痛みの変化などにも気が付きやすく、すぐにシートや体勢を変える対応ができて夜鳴きを未然に防げる可能性があります。
近くで飼い主さんの匂いを感じ、目を開ければ飼い主さんの存在を確認できるということに安心できて、朝まで眠れることもあるでしょう。
認知症の場合は、あらかじめご近所に状況を伝えて理解してもらったり、夜鳴きをしても音がもれにくいよう防音シートを窓に貼ったり、シャッターや雨戸を設置したりと防音対策を講じてみる方法もあります。
「老犬の夜鳴き」とひとことで言っても、老犬の取り巻く環境によってさまざまな原因があります。まずは夜鳴きの原因と対策を知ることから始めましょう。信頼できる獣医師や同じような経験を持つ飼い主さんに相談して、飼い主さんが一人で悩まない環境を作ることが大切です。
共感能力の高い犬は、飼い主さんの精神的な余裕が夜鳴きの緩和へとつながることもあります。愛犬とともにゆったりと体を休める時間をとり、ともに継続可能で幸せな生活環境を作れるよう心がけてください。
老犬の夜鳴き 考えられる4つの原因とは 老犬の夜鳴きには主に4つの原因が考えられます。
認知症
犬にも認知症があります。シニア期(小型犬・超小型犬は11歳以上、中型・大型犬は8歳以上、超大型犬は6歳以上)に入ると犬もあらゆるところに高齢犬としての症状が現れはじめます。そのひとつとして「認知機能不全症候群」があり、症状は以下のとおりです。- 食べたことを忘れて要求する
- ぐるぐると徘徊する
- 飼い主さんが分からなくなる
- 昼と夜が逆転した生活行動になる
体の訴え
愛犬が空腹や痛みを感じ、飼い主さんに解決してほしくて夜鳴きをすることもあります。フードの量やあげる時間などの食事ケアをし、のどの渇きに困っている可能性もあるので水の量も見直してみましょう。床ずれの痛みから体勢を変更してほしかったり、関節などの病気による体の痛みに苦しんでいたりして夜鳴きをすることも。日頃から痛みが生じていないか、違和感のある動きをしていないかなどを観察してみましょう。
心の訴え
飼い主さんに甘えたくて、愛犬が夜鳴きをすることもあります。日常生活において何らかのストレスを感じていたり、離れて眠ることに不安を感じたりして夜鳴きをします。飼い主さんの近くにいたいと訴えるのは、分離不安の症状である可能性もあります。不快な環境への訴え
寝る場所が暑過ぎる、寒過ぎるといった愛犬にとって不快な環境への訴えとして夜鳴きをすることもあります。窓側にハウスがあって深夜になると寒い、窓際のため朝日が登ると眩しいといったことが原因で夜鳴きが始まることも。また、排せつによって不快になり、清潔にしてほしくて夜鳴きをすることもあります。
老犬の夜鳴きへの対処法
夜鳴きを解消するための主な対処法として、以下の4つの方法が挙げられます。原因が明確な場合には、獣医師の処方に従うことが最適ですが、不明確な際にはいくつかの対応を組み合わせて愛犬の様子をみていくと良いでしょう。認知症への対処法
獣医師に相談し処方薬が出されたら指示通りの服薬をしていくことも方法のひとつです。認知症の症状を緩和する内服薬や睡眠薬を使用したり、病状緩和として脳に作用・効果が期待できる食事を取ったりするなどして、急がずに様子をみていきましょう。また、日中生活の見直しが夜鳴き改善につながることもあります。歩けるようだったら散歩の量を増やしたり、運動したりして体のバランスを整えてあげましょう。適度な運動は生活リズムが整い、夜間に眠りやすくなります。日光浴もおすすめです。日光を浴びることでセロトニンが分泌され、安眠効果が期待できます。
体の痛みへの対処法
愛犬が、関節痛や床ずれによる痛みを訴えている際は、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。適切な処置や薬の処方、関節をサポートするサプリメント、床ずれを防ぐサポーターや寝具の使い方などアドバイスが受けられます。不安への対処法
愛犬が飼い主さんから離れることに不安を感じて夜鳴きをするのは、分離不安症状のひとつでもあります。獣医師やドッグトレーナーに相談してみましょう。必要な薬やトレーニングで症状を緩和することができます。また、飼い主さんが愛犬の近くで寝る環境に変えてみることも夜鳴き解決策になります。飼い主さんが愛犬のそばで寝ると、排せつトラブルや痛みの変化などにも気が付きやすく、すぐにシートや体勢を変える対応ができて夜鳴きを未然に防げる可能性があります。
近くで飼い主さんの匂いを感じ、目を開ければ飼い主さんの存在を確認できるということに安心できて、朝まで眠れることもあるでしょう。
環境の改善
寝具を清潔に整え、夜間を快適に過ごせるようおむつなどの介護用品を活用することで排泄トラブルからの夜鳴きを防ぐ対策もあります。排泄トラブルの原因を動物病院で診てもらって治療することも大切ですが、愛犬ができるだけ不快な思いをしないよう体を清潔に保ち、安眠できる環境を整えられるといいでしょう。
対処時の注意点
夜鳴きに対処する際、以下のことに注意することが大切です。薬を使う時には獣医師に相談を
夜鳴き対策として薬に頼ることも方法のひとつです。薬で夜鳴きが防げたり、軽減されたりして老犬が寝られることもあります。薬やサプリメントを選ぶときは、必ずかかりつけの獣医師によく相談してからにしましょう。飼い主さん自身の健康管理
夜鳴きによる寝不足で飼い主さんが体調を崩してしまうこともよくあります。老犬の介護疲れを防ぐために、ときには信頼できる動物病院へ預けたり、デイケアに頼ったりすることも選択肢のひとつ。飼い主さんは一人で抱え込まず、老犬の長期的な介護を続けられるよう心がけましょう。飼い主さん自身の健康管理も大切です。ご近所への配慮
ご近所への騒音が気になるのであれば、防音グッズを活用しましょう。夜鳴きで苦情がくるかもしれないと飼い主さんがイライラするとそれが愛犬に伝わり、さらに夜鳴きを繰り返す悪循環に陥ることも。認知症の場合は、あらかじめご近所に状況を伝えて理解してもらったり、夜鳴きをしても音がもれにくいよう防音シートを窓に貼ったり、シャッターや雨戸を設置したりと防音対策を講じてみる方法もあります。
「老犬の夜鳴き」とひとことで言っても、老犬の取り巻く環境によってさまざまな原因があります。まずは夜鳴きの原因と対策を知ることから始めましょう。信頼できる獣医師や同じような経験を持つ飼い主さんに相談して、飼い主さんが一人で悩まない環境を作ることが大切です。
共感能力の高い犬は、飼い主さんの精神的な余裕が夜鳴きの緩和へとつながることもあります。愛犬とともにゆったりと体を休める時間をとり、ともに継続可能で幸せな生活環境を作れるよう心がけてください。
- 監修者プロフィール
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牛尾 拓(ウシオ タク)
経歴:岩手大学農学部獣医学課程卒業。動物病院勤務、製薬会社の学術職などを経て株式会社V and P入社
保有資格:獣医師免許