老猫におむつをつけても大丈夫? 嫌がる場合はどうすればいい?

2023.03.25
老猫におむつをつけても大丈夫? 嫌がる場合はどうすればいい?
猫も老猫と呼ばれる年齢になると、それまで上手にできていたトイレを失敗することが増えてくる可能性があります。そのようなときの対策のひとつが、おむつを使うこと。ただ、装着しようとすると老猫が嫌がって、うまくいかずに困ってしまったという飼い主さんもいるのではないでしょうか。この記事では、老猫とおむつの関係について解説します。ぜひ参考にしてみてください。
目次



老猫におむつが必要になるケース


まず、どのようなときに老猫におむつが必要となるのか、考えてみましょう。
体力の低下
老猫になると体力が低下し、若いころのように俊敏には動けなくなります。歩く姿もゆったり悠々自適といった風情。トイレに行きたくなってトイレに向かうものの、間に合わないということが起こります。また、それまでスムーズにまたげていたトイレのふちに、足が上がらずまたげなくなるということも……。
トイレが上手に使えないとなると、何かしらの対策を考えなければなりません。
認知症
老猫になると、人間と同じように認知症を発症することがあります。認知症の症状はさまざまですが、猫によってはトイレの場所がわからなくなったり、トイレをトイレとして認識できなくなったりすることがあるのです。また、認知症になると排せつに関する感覚が鈍くなり、粗相をしてしまうことも多いといいます。認知症になった老猫のトイレ問題は、かなり切実です。
病気による体の不自由
年齢を重ねると、体を動かすことができず寝たきりになってしまう老猫もいます。病気やケガの影響で立ち上がれないこともあれば、体の一部を思うように動かせないこともあるでしょう。

飼い主さんが定期的にトイレに連れて行くという方法もありますが、1日に何度も抱き上げられるのは老猫にとって負担がかかりますし、飼い主さんも大変です。このようなケースも、おむつを検討するのが妥当ではないでしょうか。
泌尿器系の病気
膀胱炎、慢性腎不全、尿路結石など泌尿器系の病気を抱えている猫は、頻尿に悩まされることが少なくありません。トイレから戻ってきて、すぐにまたトイレ行くということもしばしばで、トイレに行き着く前に漏れてしまうこともあるようです。この場合の対策としても、おむつが選択肢のひとつになるでしょう。

猫用おむつのメリット・デメリット


排せつに関しての困りごとを解決してくれるおむつ。そのメリットとデメリットについて、確認してみましょう。
メリット
メリットとして考えられることは、2点あります。

ひとつは、愛猫の体を清潔に保ってあげられることです。猫がトイレ以外で排せつをしたとき、特に寝たきりの猫の場合、どうしても下半身が汚れてしまいます。きれいにするためには、こまめに拭いたりシャワーで洗い流したりといったことが必要です。ただ、日に何度もお風呂場に連れて行ったり、お湯やシャンプーを使ったりすることは、老猫の体には大きな負担がかかります。おむつなら排せつをしてすぐに交換できますし、愛猫も不快感なく過ごせます。

もうひとつは、飼い主さんの負担が軽減されることです。先ほど、お風呂場に連れて行くことや洗ってあげることは老猫の負担になると言いましたが、老猫だけでなく、飼い主さんにとっても大きな労力が必要になります。それも、毎日のこと……と考えると、おむつのメリットは大きいのではないでしょうか。
デメリット
おむつをつけるデメリットとしてまず挙げられるのが、猫が激しく抵抗して嫌がることです。時間がかかるうえに上手に装着できないということも、しばしば。やっとの思いで装着したと思ったら、すっぽり脱げてしまうことも……。猫がおむつをいやがるのは、何かを身につけることを好まないという猫の性質によるものもあるようです。また、おむつ装着の際は、猫にとって敏感なしっぽに触れざるを得ません。これも、おむつを嫌がる理由のひとつだとされています。

もうひとつのデメリットは、かぶれる可能性があるということ。人間の赤ちゃんのおむつかぶれと同じように、皮膚が赤くなって湿疹ができたり、ただれたりということがあるのです。老猫が快適に過ごすためには、かぶれに気をつかったケアを欠かすことができません。

老猫がおむつを嫌がる場合の対策


どうしてもおむつを使う必要があるのに愛猫が嫌がるということは、往々にしてあります。その場合は、次のような対策をしてみましょう。

ひとつは、装着感の違ういくつかの製品を試してみること。皮膚の感覚は猫それぞれですし、猫にも好みがあります。少しでも愛猫に合ったものを探してみましょう。また、最初は短い時間で慣らしてみる、敏感なしっぽを圧迫しないように装着するといったこともポイントです。できるだけ愛猫に不快な思いをさせないように、心がけていきましょう。

おむつと併せて検討したいトイレの環境改善


寝たきりや認知症でない場合は、トイレの環境を改善することでおむつを使わずにすむ可能性があります。例えば、トイレまで行き着けずに粗相をしてしまう場合は、老猫の行動範囲に複数のトイレを設置しておくことで間に合うようになることも。

ふちが高くてまたぎにくいのであれば、ふちの低いトイレに交換したり、トイレに入るためのステップを設けたりすることで、排せつできるようになるケースもあります。トイレで排泄できるのなら、おむつは必要ありません。

もちろん、トイレを騒がしくない場所に設置する、こまめに掃除をして清潔にしておくなど、基本的なことも心がけていきましょう。


老猫が上手にトイレで排せつできなくなったときの対策のひとつが、おむつの利用です。トイレ環境も見直しながら、必要に応じて利用を検討してみてください。ただ、おむつを装着すること、しっぽに触れられることをとても嫌がる猫が多いようです。そのようなときは焦らず、お伝えした方法を試してみてくださいね。
監修者プロフィール

牛尾 拓(ウシオ タク)

経歴:岩手大学農学部獣医学課程卒業。動物病院勤務、製薬会社の学術職などを経て株式会社V and P入社
保有資格:獣医師免許



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