老猫の夜泣きの原因は? 対処法も併せて解説

2022.11.19
老猫の夜泣きの原因は? 対処法も併せて解説
猫も「老猫」と呼ばれる年齢になると、それまでとは違った様子や行動を見せるようになります。夜鳴きも、そのひとつです。どうして夜になると鳴くのか飼い主さんとしては心配になりますし、毎晩のように鳴かれると困ってしまうこともあるでしょう。
この記事では、老猫に多い夜鳴きについて取り上げ、その原因や対処法について解説します。
目次


老猫の夜鳴きの原因


どうして老猫が夜鳴きをするようになってしまうのか、原因として考えられることはいくつかあります。

まず、老猫に多い甲状腺機能亢進症、認知症などの病気が夜鳴きを引き起こしている可能性が考えられます。

また、老猫になると視力や聴力が衰えるほか、関節の痛みなど体の不調も現れるようになります。それまで見えていた世界がよく見えなくなり、耳も聴こえが悪くなったら、人間でも不安を感じてしまいますよね。猫は繊細な動物ですから、なおさらかもしれません。そのうえ関節が痛くて思うように動けないとなると、ストレスも増すでしょう。そういったつらい気持ちを夜鳴きで訴えている可能性もあるといえそうです。

ストレスに通じることとして、トイレが汚れている、トイレを失敗して体が汚れてしまったなど、老猫にとって不快なことが夜鳴きの原因になることもあります。きれい好きな猫は、トイレにもこだわりがありますし、丁寧に毛づくろいをして清潔に保とうとする動物です。しかし老猫になると毛づくろいをしなくなり、排泄した後のおしりが汚れたままということも。そういった不快感が夜鳴きにつながっているという説もあります。

老猫の夜鳴きは病院で相談できる?


老猫の夜鳴きが続くと、飼い主さんとしては心配になってしまいますよね。「病院に連れて行って診てもらおうか、でも病気というわけではないし……」と、悩んでしまうこともあるでしょう。

病院に連れて行くか否かは愛猫の様子にもよるのですが、夜鳴きには病気が潜んでいる可能性も否定できません。もし、著しい食欲の低下、嘔吐や下痢など、心配な症状が見られたときには速やかに受診してください。

そういった症状がない場合でも、一度病院で診察を受け、獣医師に相談すると安心できるのではないでしょうか。病気が見つかればすぐに治療ができますし、そうでない場合でも、ケアの方法についてアドバイスをもらうことができます。

老猫の夜鳴きにつながる病気の症状と対処法


先ほど、病気も夜鳴きの原因になるとお伝えしました。そこで取り上げた3つの病気について、それぞれの症状や対処法を説明します。
甲状腺機能亢進症
甲状腺は、のどのあたりにある組織です。役割は甲状腺ホルモンを分泌して代謝を司ることですが、甲状腺機能亢進症になると、甲状腺ホルモンが必要以上に分泌されてしまい代謝異常が起こります。

特徴として見られるのは、行動が異常に活発化したり、食欲が亢進したり、発情期のような夜鳴きをしたりすること。行動に攻撃性が感じられることもありますし、嘔吐や下痢などの症状を伴うこともあります。また、食欲は増しているのに痩せていくこともこの病気の特徴のひとつです。

治療は、ホルモン分泌を調整する薬を内服するほか、症状によっては手術も選択肢となります。


認知症
猫も年をとると認知症を発症することがわかっています。意味もなく鳴き続ける夜鳴きのほか、同じ場所をぐるぐると徘徊する、粗相をしてしまう、声をかけても気づかずに反応しないなどの症状が見られたら、認知症の可能性があります。

認知症は、今のところ治療法がないのですが、精神安定系の薬やサプリメントで症状が緩和されるという報告もあります。

老猫の夜鳴きへの家庭での対処法


老猫が夜鳴きをするとき、飼い主さんはどのように対処するのがいいのでしょうか。

まずは、愛猫を安心させてあげてください。具体的には、抱いたりブラッシングをしたり、愛猫と触れ合う時間を増やしてみましょう。夜鳴きをしても叱ったりせず、優しく声をかけながら接すると、気持ちが落ち着くこともあるようです。

愛猫が快適に過ごせるように、生活環境の見直しもしてみてください。トイレの位置、寝る場所など、清潔で心地好い環境を用意してあげましょう。


老猫の夜鳴きに悩んでいるという飼い主さんは、ぜひこの記事を参考にして原因を探ってみてください。不安、不快感が原因となっている場合は、それらが取り除かれることで落ち着くかもしれません。何をしても夜鳴きが止まらない場合は、獣医師に相談することも検討してみてください。診察したうえでアドバイスをもらうことは、飼い主さんだけでなく、愛猫のためにもなるでしょう。

【監修者プロフィール】
牛尾 拓(ウシオ タク)
経歴:岩手大学農学部獣医学課程卒業。動物病院勤務、製薬会社の学術職などを経て株式会社V and P入社
保有資格:獣医師免許
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