愛犬の健康診断:内容と費用は?絶食が必要?
2024.05.29
わが家の愛犬にはいつまでも健やかでいてほしい――飼い主さんであれば誰もがそう願うでしょう。その願いをかなえるためにも、定期的に健康診断を受けることをおすすめします。しかし、犬の健康診断は具体的にどのようなことをするのか、何歳ごろから行うものなのか、費用はどのくらいかかるのか、わからないことも多いですよね。そこで、この記事で犬の健康診断について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
愛犬に健康診断が必要な理由、それは人間と同じく、病気の予防、早期発見や治療ができるからです。
愛犬は言葉を話すことができないため、自ら体調不良を訴えることが難しいです。なかには慢性疾患や悪性腫瘍のように、飼い主さんが症状に気づいたときにはすでに進行している病気もあります。年を取ると免疫力が低下し病気にかかりやすくなり、筋肉が落ちてケガをすることもあります。そうした不調の発見に役立つのが健康診断なのです。
では、犬の健康診断は何歳から受けたらいいのでしょうか。頻度はどのくらいが望ましいのでしょうか。
犬の健康診断は、年齢や頻度について特に決まりはありません。しかし、犬は人間よりも早く年を取るため、生後6カ月ごろに最初の健康診断を受け、その後6歳までは年に1回、それ以降は半年に1回というペースで受けるようにしましょう。
「生後6カ月なら、まだ病気も発症していないのでは?」という飼い主さんもいるかもしれませんが、心臓などに先天的な病気を持っている場合もあります。早期発見で治療をスタートすることが可能なケースもあります。
また、犬のサイズにもよりますが、7歳を超えた犬は中高齢期に差しかかり、体調不良が出やすくなります。早いうちから健康診断のデータを蓄積していれば、小さな変化にもすぐに気づくことができます。
ただし、健康状態によって適切な頻度は変わるため、その年の健康診断を終えたときに次回の時期について獣医師と相談しておくと安心です。
では、犬の健康診断にはどんな検査項目があるのでしょうか。病院によって多少の違いはありますが、主な検査項目を説明します。
体重測定では、痩せすぎや太りすぎをチェックします。前回より体重が減っている場合は、病気に関する検査を追加することもあります。犬の場合、健康的な生活をしていれば体重が減ることはあまりないため、体重の変化は健康診断でしっかりチェックします。
犬の健康診断の費用は病院や検査項目によって異なりますが、一般的には5000円から3万円程度が目安です。様々な検査項目の組み合わせを提供している病院がありますので、現時点でカバーしておくべき範囲を獣医師とよく相談して決めましょう。
必要な検査を獣医師と相談し、事前に検査費用を確認しておくと安心です。また、検査によっては「食事をとらずに来院」などの指示が出ることもありますので、健康診断を受ける際の注意事項も確認しておきましょう(下記 6.健康診断前の準備と注意点 参照)。
犬の健康診断には保険が適用されることがあります。ペット保険のプランによっては、健康診断の費用がカバーされることがあるため、加入している保険の内容を確認しておきましょう。保険が適用されることで、費用の負担を軽減し、定期的な健康診断を受けやすくなります。
犬の健康診断を受ける前には、いくつかの準備と注意点があります。以下にまとめました。
健康診断は、愛犬の健康を守るためのものです。特に異常がなければ安心して過ごせますし、不具合が見つかった場合でも早期に治療を始めることができます。言葉を話せない愛犬のためにも、定期的に健康診断を受けることをおすすめします。
1.犬に健康診断が必要な理由
愛犬に健康診断が必要な理由、それは人間と同じく、病気の予防、早期発見や治療ができるからです。
愛犬は言葉を話すことができないため、自ら体調不良を訴えることが難しいです。なかには慢性疾患や悪性腫瘍のように、飼い主さんが症状に気づいたときにはすでに進行している病気もあります。年を取ると免疫力が低下し病気にかかりやすくなり、筋肉が落ちてケガをすることもあります。そうした不調の発見に役立つのが健康診断なのです。
2.犬の健康診断は何歳から?頻度はどのくらい?
では、犬の健康診断は何歳から受けたらいいのでしょうか。頻度はどのくらいが望ましいのでしょうか。
犬の健康診断は、年齢や頻度について特に決まりはありません。しかし、犬は人間よりも早く年を取るため、生後6カ月ごろに最初の健康診断を受け、その後6歳までは年に1回、それ以降は半年に1回というペースで受けるようにしましょう。
「生後6カ月なら、まだ病気も発症していないのでは?」という飼い主さんもいるかもしれませんが、心臓などに先天的な病気を持っている場合もあります。早期発見で治療をスタートすることが可能なケースもあります。
また、犬のサイズにもよりますが、7歳を超えた犬は中高齢期に差しかかり、体調不良が出やすくなります。早いうちから健康診断のデータを蓄積していれば、小さな変化にもすぐに気づくことができます。
ただし、健康状態によって適切な頻度は変わるため、その年の健康診断を終えたときに次回の時期について獣医師と相談しておくと安心です。
3.犬の健康診断の内容(検査項目)
では、犬の健康診断にはどんな検査項目があるのでしょうか。病院によって多少の違いはありますが、主な検査項目を説明します。
問診
問診は日ごろの愛犬の様子について、飼い主さんに話を聞いて診察することです。これにより、健康状態に問題がないか、病気が潜んでいないかをチェックします。些細なことでも気になることはしっかり伝えましょう。場合によっては、写真や動画も活用すると良いでしょう。身体検査
視診、触診、聴診、体温測定、体重測定などを行います。視診では全身や目、耳、口腔内の状態などを確認し、触診は手で体に触れて便秘やしこりがないかをチェックします。聴診では心臓に雑音が生じていないか、腸の運動は正常かなどを確認し、総合的な健康状態を判断します。体重測定では、痩せすぎや太りすぎをチェックします。前回より体重が減っている場合は、病気に関する検査を追加することもあります。犬の場合、健康的な生活をしていれば体重が減ることはあまりないため、体重の変化は健康診断でしっかりチェックします。
尿検査・便検査
尿と便を採取して検査します。尿検査で発見できるのは、腎臓や膀胱の病気、糖尿病やホルモン疾患などです。便検査では、寄生虫の有無、血便、腸内環境などをチェックします。血液検査
採血して血液に含まれる成分を分析する検査です。血液検査では、貧血や炎症がないか、肝臓や腎臓の機能は正常か、腫瘍の疑いはないかなど、さまざまな項目を確認できます。レントゲン検査
レントゲン写真を撮り、骨格や胸の中、お腹の中に異常がないかを確認する検査です。腫瘍や関節の異常、腎臓や膀胱の結石などが見つかることもあります。超音波検査(エコー)
心臓や胃腸などの体内臓器の形、大きさ、動き、血液の流れを確認できる検査です。レントゲンでは見つけにくい腫瘍の発見につながることもあります。例えば、血液検査やレントゲン検査で異常が認められた際のより詳細な検査として有効な検査です。確認したい部分に専用のゼリーを塗って超音波の出る器具を当てるため、検査部位によっては毛を剃ることがあります。4.犬の健康診断の費用はどのくらい?
犬の健康診断の費用は病院や検査項目によって異なりますが、一般的には5000円から3万円程度が目安です。様々な検査項目の組み合わせを提供している病院がありますので、現時点でカバーしておくべき範囲を獣医師とよく相談して決めましょう。
血液検査のみの費用
血液検査のみを受ける場合の費用は、5000円から1万円程度です。血液検査は多くの健康情報を得られるため、定期的に実施することが推奨されます。必要な検査を獣医師と相談し、事前に検査費用を確認しておくと安心です。また、検査によっては「食事をとらずに来院」などの指示が出ることもありますので、健康診断を受ける際の注意事項も確認しておきましょう(下記 6.健康診断前の準備と注意点 参照)。
5.犬の健康診断と保険
犬の健康診断には保険が適用されることがあります。ペット保険のプランによっては、健康診断の費用がカバーされることがあるため、加入している保険の内容を確認しておきましょう。保険が適用されることで、費用の負担を軽減し、定期的な健康診断を受けやすくなります。
6.健康診断前の準備と注意点
犬の健康診断を受ける前には、いくつかの準備と注意点があります。以下にまとめました。
絶食が必要な場合
特に血液検査や超音波検査など、一部の検査では絶食が必要です。通常、検査の前夜から絶食し、当日は水だけを与えるよう指示されることがあります。これは、食事が検査結果に影響を与える可能性があるためです。絶食が必要な場合は、獣医師からの指示をしっかりと守りましょう。検査前の注意事項
食事:
検査によっては絶食が必要な場合があります。獣医師の指示に従い、適切な時間に食事を止めるようにしましょう。排尿・排便:
尿検査や便検査が含まれる場合、検査当日に尿や便を持参するように求められることがあります。採取方法については事前に獣医師から説明を受けておきましょう。普段の様子を記録:
日常の様子や気になる点をメモにしておくと、獣医師に伝えやすくなります。写真や動画も有効です。健康診断は、愛犬の健康を守るためのものです。特に異常がなければ安心して過ごせますし、不具合が見つかった場合でも早期に治療を始めることができます。言葉を話せない愛犬のためにも、定期的に健康診断を受けることをおすすめします。
- 監修者プロフィール
-
岩谷 直(イワタニ ナオ)
経歴:北里大学卒業。大学研修医や企業病院での院長、製薬会社の開発や学術職などを経て株式会社VandP入社
保有資格:獣医師免許