いつからシニア犬(老犬)になる? 老化のサインや注意点など
2022.11.17
幼かった愛犬も、あっという間に成犬になり、やがてシニア期を迎えます。外見はさほど変わりませんが、動作などに衰えを感じることもあるでしょう。ところで犬は、いつからシニアと呼ばれる世代に入るのでしょうか。目安がわかっていれば、年齢に応じた適切なケアができます。
この記事で、シニア犬の年齢区分や老化のサイン、日常生活での注意点についてお伝えしますので、どうぞ参考にしてください。
犬は、子犬の時期を過ぎると成犬になり、やがてシニア犬(老犬)と呼ばれる時期に入ります。しかし、いきなり老化現象が現れるというわけではありません。人の目には見えにくい内臓機能の低下など、ある年齢から少しずつ老化現象が始まります。目安はちょうど寿命の半分を過ぎたころ。「中高齢期」と分類されます。さらに年齢を重ね、寿命の3分の2を過ぎると「高齢期」と呼ばれるようになります。
この「高齢期」の犬が、いわゆるシニア犬です。そして、ここが犬ならではの特徴かもしれないのですが、具体的な年齢は犬の大きさによって異なります。小型犬・超小型犬は11歳以上、中型・大型犬は8歳以上、超大型犬は6歳以上が高齢期の目安です。
犬も人間と同じで、年齢とともに老化現象が見られるようになります。愛犬の年齢がシニア期に入ったら、次のような様子が見られないかチェックしてみましょう。
被毛の変化もわかりやすいサインのひとつといえます。例えば被毛のツヤが失われパサつきが目立つ、皮膚にハリがなくなっている、抜け毛が増え全体的な毛量が減っている、白っぽい毛が増えているなどの様子が見られたら、年齢のせいかもしれません。
白っぽい毛が増えるのは人間の白髪と同じ現象で、毛の色素をつくる能力の衰えによるもの。全体の毛が白っぽくなるだけでなく、明らかな白髪が目につくこともあります。
そのほか、名前を呼んでもなかなか反応しない、お散歩に行きたがらない、食事に時間がかかるといった変化もサインのひとつです。さらには、粗相をしてしまう、きちんとしつけてきたことができなくなってしまうといったことも老化のサインと考えられます。
愛犬がシニア犬の仲間入りをしていると気づいたとき、食事は、いつどのように切り替えていけばいいのでしょうか。
シニアの年齢に差し掛かったら「ドッグフードもシニア用に切り替えを検討する時期」ととらえ、愛犬の変化に合わせながら少しずつ対処していきましょう。今までのフードにシニア用フードを少しずつブレンドして与えながら、徐々にシニア用の割合を増やしていく、シニア用フードを好物と一緒に与えるといった工夫をすると、スムーズに切り替えができるようです。
シニア用のドッグフードは栄養面もシニアに配慮した内容になっていますし、食べやすさの工夫もされています。だったら、今すぐにでも変更したいと考える飼い主さんもいるかと思いますが、いきなりドッグフードを切り替えることはおすすめできません。食べ慣れていた食事とは違うものが出されると愛犬もとまどってしまいますし、ストレスになることもあるからです。
愛犬がそろそろシニア犬になってきたかな? と思ったら、次のことを心がけていきましょう。
まずは、定期的に健康診断を受けることです。犬は言葉で体調不良を伝えることができません。しかし、定期的に健康診断を受けていれば、気づきにくい病気やケガを早いうちに見つけることができます。そのためにも、食事量の変化、排泄の状態をしっかり確認するようにしましょう。
食事や排泄の情報は、獣医師が診察する際の重要な情報源です。例えば、極端に食事量が減ったとしたら、口の中に異常が起きているのかもしれないし、胃腸が弱っているのかもしれません。その判断がしやすくなります。
また、コミュニケーションをしっかり取ることも意識してみてください。シニア犬になると、視力や聴力が落ちたことで周囲の様子がよくわからず、不安を感じることがあります。そんなとき、飼い主さんとの触れ合いがあれば、愛犬の気持ちも落ち着くはずです。
そのほか、ベッド、食事の器、部屋の温度や湿度の管理など、心地好く生活できる環境を整えてあげると、シニア犬も穏やかに過ごすことができます。
犬がいつからシニアになるかはサイズによっても異なりますし、はっきりとした年齢が決まっているわけでもありません。ただ目安となる年齢はありますし、愛犬の様子から「そろそろシニア犬(老犬)かな?」と察することはできます。小さな変化を見逃さず、年齢に応じたケアやサポートをしていきましょう。
この記事で、シニア犬の年齢区分や老化のサイン、日常生活での注意点についてお伝えしますので、どうぞ参考にしてください。
犬がシニア犬(老犬)に相当するのはいつから?
犬は、子犬の時期を過ぎると成犬になり、やがてシニア犬(老犬)と呼ばれる時期に入ります。しかし、いきなり老化現象が現れるというわけではありません。人の目には見えにくい内臓機能の低下など、ある年齢から少しずつ老化現象が始まります。目安はちょうど寿命の半分を過ぎたころ。「中高齢期」と分類されます。さらに年齢を重ね、寿命の3分の2を過ぎると「高齢期」と呼ばれるようになります。
この「高齢期」の犬が、いわゆるシニア犬です。そして、ここが犬ならではの特徴かもしれないのですが、具体的な年齢は犬の大きさによって異なります。小型犬・超小型犬は11歳以上、中型・大型犬は8歳以上、超大型犬は6歳以上が高齢期の目安です。
シニア犬(老犬)にみられる老化のサイン
犬も人間と同じで、年齢とともに老化現象が見られるようになります。愛犬の年齢がシニア期に入ったら、次のような様子が見られないかチェックしてみましょう。
身体に表れる老化のサイン
シニア犬の多くに見られる老化のサインが、口腔内の異常です。具体的には、歯周病や、それに伴う強い口臭、歯の色の黄ばみなど。口臭や歯の色は、飼い主さんにとっても気づきやすい症状です。被毛の変化もわかりやすいサインのひとつといえます。例えば被毛のツヤが失われパサつきが目立つ、皮膚にハリがなくなっている、抜け毛が増え全体的な毛量が減っている、白っぽい毛が増えているなどの様子が見られたら、年齢のせいかもしれません。
白っぽい毛が増えるのは人間の白髪と同じ現象で、毛の色素をつくる能力の衰えによるもの。全体の毛が白っぽくなるだけでなく、明らかな白髪が目につくこともあります。
行動に表れる老化のサイン
行動面で気づきやすいのは、動きが鈍くなってくることです。例えば、それまでだったら俊敏に避けることができたものにぶつかってしまったり、段差でつまずいてしまったり、「おや?」と思う場面が増えたら老化が始まっている証拠かもしれません。そのほか、名前を呼んでもなかなか反応しない、お散歩に行きたがらない、食事に時間がかかるといった変化もサインのひとつです。さらには、粗相をしてしまう、きちんとしつけてきたことができなくなってしまうといったことも老化のサインと考えられます。
シニア犬(老犬)用の食事に切り替えるのはいつから?
愛犬がシニア犬の仲間入りをしていると気づいたとき、食事は、いつどのように切り替えていけばいいのでしょうか。
シニアの年齢に差し掛かったら「ドッグフードもシニア用に切り替えを検討する時期」ととらえ、愛犬の変化に合わせながら少しずつ対処していきましょう。今までのフードにシニア用フードを少しずつブレンドして与えながら、徐々にシニア用の割合を増やしていく、シニア用フードを好物と一緒に与えるといった工夫をすると、スムーズに切り替えができるようです。
シニア用のドッグフードは栄養面もシニアに配慮した内容になっていますし、食べやすさの工夫もされています。だったら、今すぐにでも変更したいと考える飼い主さんもいるかと思いますが、いきなりドッグフードを切り替えることはおすすめできません。食べ慣れていた食事とは違うものが出されると愛犬もとまどってしまいますし、ストレスになることもあるからです。
そろそろシニア犬(老犬)?と思ったら注意したいポイント
愛犬がそろそろシニア犬になってきたかな? と思ったら、次のことを心がけていきましょう。
まずは、定期的に健康診断を受けることです。犬は言葉で体調不良を伝えることができません。しかし、定期的に健康診断を受けていれば、気づきにくい病気やケガを早いうちに見つけることができます。そのためにも、食事量の変化、排泄の状態をしっかり確認するようにしましょう。
食事や排泄の情報は、獣医師が診察する際の重要な情報源です。例えば、極端に食事量が減ったとしたら、口の中に異常が起きているのかもしれないし、胃腸が弱っているのかもしれません。その判断がしやすくなります。
また、コミュニケーションをしっかり取ることも意識してみてください。シニア犬になると、視力や聴力が落ちたことで周囲の様子がよくわからず、不安を感じることがあります。そんなとき、飼い主さんとの触れ合いがあれば、愛犬の気持ちも落ち着くはずです。
そのほか、ベッド、食事の器、部屋の温度や湿度の管理など、心地好く生活できる環境を整えてあげると、シニア犬も穏やかに過ごすことができます。
犬がいつからシニアになるかはサイズによっても異なりますし、はっきりとした年齢が決まっているわけでもありません。ただ目安となる年齢はありますし、愛犬の様子から「そろそろシニア犬(老犬)かな?」と察することはできます。小さな変化を見逃さず、年齢に応じたケアやサポートをしていきましょう。
- 監修者プロフィール
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牛尾 拓(ウシオ タク)
経歴:岩手大学農学部獣医学課程卒業。動物病院勤務、製薬会社の学術職などを経て株式会社V and P入社
保有資格:獣医師免許