【獣医師監修】ねこのいる生活Vol.4 猫の関節炎はどんな病気?

2019.12.31
【獣医師監修】ねこのいる生活Vol.4 猫の関節炎はどんな病気?
猫の関節炎はどんな病気?  年齢、体重過剰、 遺伝的な問題や環境など、 なんらかの原因で関節軟骨 がすり減ったり変形したりして関節内に炎症がおこっている状態です。 猫 は痛みを我慢して隠そうとするので、気づいたときにはかなり悪化してい ることが多い病気です。  猫では肩、肘、膝、股関節に起こりやすく、成猫の3頭に1頭、12歳以上で は90%以上の猫が関節炎を持っているという報告もあり、高齢になるほど 多くみられます。  スコティッシュフォールドやマンチカンなど特定の猫種は遺伝的に軟骨の異常が起こりやすく、1歳未満でも症状がでてしまうこともあります。重度の関節炎を起こしやすく、若いうちから注意が必要です。 

! こんな症状が出ていたら要注意 
□ あまり高いところにジャンプしなくなった 
□ 階段の上り下りがむずかしそう 
□活発に動かなくなった 
□ 寝たり、じっとしていることが増えた 
□ 触ると嫌がる 
□独りでいたがる 
□ 爪とぎが減って伸びている 
□ イライラしたり、怒りっぽくなった 
□ 毛づくろいが減った 
□ 毛づくろいが増えた 
□ 毛並みがわるくなってきた 
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治療方法 
薬を投与して痛みと炎症を抑えます。 関節炎は高齢期に発症しやすく、 長く付き合っていく病気です。 長期間の薬の使用は腎臓や肝臓などに副 作用をともなうことがあるため、薬以外にも、体に負担の少ない脂肪酸 このサプリメントなどを利用すると、 高齢期の長期管理にも安心です。 
同時に、関節に負担が少ない生活環境を整えていくことも重要です。 寝床やトイレを含む生活スペースを見直したり、体型に気をつけること も大切です。 
体重過剰の場合は、 まずは適切な食事管理で減量して、関節への負担 を減らしましょう。 理想体重はその子によって異なりますが、 1歳の誕生 日のときの体重が理想体重の目安とも言われています。定期的に体重測 定をして、体型を維持していきましょう。 

! おうちで気をつけること 
床材は滑りにくい素材にする 
□寝床はやわらかく快適な素材にする 
□低い場所に落ち着けるスペースを設ける 
□高い場所へ移動しやすいようにステップや スロープを設ける 
□トイレの入り口の段差を低くして 入りやすいようにする 
飲み水はアクセスしやすい場所に設置する 
□ 定期的に爪を切る 
□ 適切な食事で体重管理をする
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