獣医師が解説!猫のアレルギー性皮膚炎の症状と治療方法

2023.08.16
獣医師が解説!猫のアレルギー性皮膚炎の症状と治療方法

 

ねこちゃんが快適に生活するためには日頃の健康管理が大切。 そのためにも気をつけたい病気について知っておきましょう。 今回は、猫のアレルギー性皮膚疾患について獣医師にお話を聞きました。

 目次

どんな病気?

健康なヒトや動物は、体内に侵入しようとした異物に対して、皮膚のバリア機能や、体内 で産生された抗体を作って体を守ろうとします。

しかし、体質によってはこの反応が過剰に 起こってしまい、皮膚のかゆみ、喘息、下痢、嘔吐などの症状などを引き起こします。この反応をアレルギーと呼び、 原因となる異物のことを、「抗原」 もしくは 「アレルゲン」 と呼びます。

猫のアレルゲンは、ノミ、蚊やその他の昆虫、食物、 環境にあるハウスダストマイト (チリダ 二) など多岐にわたります。

こんな症状が 出ていたら要注意

□皮膚が赤くなっている
□ 皮膚に傷やかさぶたがある
□ 脱毛しているところがある
□ かゆがる
□しきりに体をなめている

治療方法

アレルゲンがわかる場合は、 それを取り除くことで治療できる可能性があります。

■ノミ 

動物病院でノミの駆除薬を処方してもらいましょう。 複数の猫を飼っている場合 には、症状を起こしている猫だけに駆除薬を投与しても良くなりません。 環境にい るノミを完全に駆除することで治ります。

●蚊

蚊が刺しやすい鼻や耳に症状が強くでます。 蚊に刺されやすい時期、夏から秋にか けて季節性のかゆみがあります。外飼いではなくても、ベランダが好きでよく外にい る猫に症状が認められます。蚊の時期に外に出さないようにすることが大切です。

●食物

頭、首、耳などに症状がでやすいとされています。 今与えている食べ物の中に、ア レルギーを起こす原因が含まれます。 今まで食べたことのあるフードやおやつを リストアップして、獣医師にフードの相談をしましょう。

●それ以外の原因 

上記の原因が否定された場合は、 減感作療法や薬物療法となります。

おうちで気をつけること

定期的にブラッシングをして皮膚に異常がないか チェックする
ノミの駆除を定期的におこなう
特に蚊の時期には外との接触がないようにする
猫が食べているものをすべて把握しておく

監修者プロフィール

横井 愼一先生

泉南動物病院 (大阪府泉南郡) 院長
NPO法人 しっぽのごえん 代表理事
一般社団法人 日本獣医皮膚科学会 理事
一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム 幹事
ネコリパブリック熊取町店 オーナー


NPO法人 しっぽのごえん 

動物と人の縁を繋ぐことで、 幸せな動物そして人を増やしていこうということを 目的に設立されました。 保護犬・保護猫の里親プロジェクト、 人と動物の福祉に 関する講演・講習会や交流会、 人と動物の福祉に関する情報収集や提供、レンタルスペース貸し出しによる活動資金獲得事業などを行っています。

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