獣医師が解説!猫のアレルギー性皮膚炎の症状と治療方法
ねこちゃんが快適に生活するためには日頃の健康管理が大切。 そのためにも気をつけたい病気について知っておきましょう。 今回は、猫のアレルギー性皮膚疾患について獣医師にお話を聞きました。
目次
どんな病気?
健康なヒトや動物は、体内に侵入しようとした異物に対して、皮膚のバリア機能や、体内 で産生された抗体を作って体を守ろうとします。
しかし、体質によってはこの反応が過剰に 起こってしまい、皮膚のかゆみ、喘息、下痢、嘔吐などの症状などを引き起こします。この反応をアレルギーと呼び、 原因となる異物のことを、「抗原」 もしくは 「アレルゲン」 と呼びます。
猫のアレルゲンは、ノミ、蚊やその他の昆虫、食物、 環境にあるハウスダストマイト (チリダ 二) など多岐にわたります。
こんな症状が 出ていたら要注意
□皮膚が赤くなっている
□ 皮膚に傷やかさぶたがある
□ 脱毛しているところがある
□ かゆがる
□しきりに体をなめている
治療方法
アレルゲンがわかる場合は、 それを取り除くことで治療できる可能性があります。
■ノミ
動物病院でノミの駆除薬を処方してもらいましょう。 複数の猫を飼っている場合 には、症状を起こしている猫だけに駆除薬を投与しても良くなりません。 環境にい るノミを完全に駆除することで治ります。
●蚊
蚊が刺しやすい鼻や耳に症状が強くでます。 蚊に刺されやすい時期、夏から秋にか けて季節性のかゆみがあります。外飼いではなくても、ベランダが好きでよく外にい る猫に症状が認められます。蚊の時期に外に出さないようにすることが大切です。
●食物
頭、首、耳などに症状がでやすいとされています。 今与えている食べ物の中に、ア レルギーを起こす原因が含まれます。 今まで食べたことのあるフードやおやつを リストアップして、獣医師にフードの相談をしましょう。
●それ以外の原因
上記の原因が否定された場合は、 減感作療法や薬物療法となります。
おうちで気をつけること
□定期的にブラッシングをして皮膚に異常がないか チェックする
□ ノミの駆除を定期的におこなう
□特に蚊の時期には外との接触がないようにする
□猫が食べているものをすべて把握しておく
- 監修者プロフィール
-
横井 愼一先生
泉南動物病院 (大阪府泉南郡) 院長
NPO法人 しっぽのごえん 代表理事
一般社団法人 日本獣医皮膚科学会 理事
一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム 幹事
ネコリパブリック熊取町店 オーナー
NPO法人 しっぽのごえん動物と人の縁を繋ぐことで、 幸せな動物そして人を増やしていこうということを 目的に設立されました。 保護犬・保護猫の里親プロジェクト、 人と動物の福祉に 関する講演・講習会や交流会、 人と動物の福祉に関する情報収集や提供、レンタルスペース貸し出しによる活動資金獲得事業などを行っています。