老犬が無駄吠えしてしまう原因とは? やめさせる方法はある?

2022.11.15
老犬が無駄吠えしてしまう原因とは? やめさせる方法はある?
愛犬が長生きしてくれるのは嬉しいものですが、一方で、老犬特有の行動に悩まされることもあります。そのひとつが、無駄吠えです。昼も夜もなく鳴かれると、飼い主さんのほうが精神的に参ってしまうことも…。しかし、愛犬は何も無駄に吠えているわけではなく、理由があって吠えているはずです。飼い主さんがそれを理解し、原因を見つけたり解決したりする行動をとることが、愛犬にとっても、飼い主さんにとっても望ましいことです。そうすることで、愛犬とのつながりもより深いものになるでしょう。
老犬の無駄吠えは、なぜ起きるのでしょうか。やめさせる方法はあるのでしょうか。この記事で解説します。
目次



老犬が一日中無駄吠えをしてしまう原因


老犬が無駄吠えをする原因は、ひとつではありません。いくつかのことが原因として考えられ、「原因はこれです!」と言い切ることがとても難しいのです。時には、複数の原因が絡み合っていることもあります。そのことを念頭に置きながら、無駄吠えをする原因について見ていきましょう。

ひとつは、飼い主さんの目には見えにくい病気やケガにより、体に痛みを感じていることが考えられます。自分の身で想像してみても納得できると思うのですが、体のどこかに常に痛みがあるというのは、とてもつらいもの。愛犬も同じです。

特に老犬の場合、年齢とともに関節が老化し、歩くときだけでなく、座ったり抱き上げられたりするときにも痛みを感じることがあります。関節に限るわけではありませんが、体に感じる何かしらの違和感が、無駄吠えにつながっているのかもしれません。

痛みはなくても、不安を感じて鳴く老犬もいます。その裏側にあるのは、年をとったことによる視力や聴力の衰えです。視力や聴力が弱くなると、それまで認識できていたことが、認識できなくなり、自分がどのような状況にいるのか把握することができません。そういった不安に加え、自分の体が変化していることに対する不安を感じることもあるでしょう。

ほかにも、いつも過ごす部屋の温度や湿度、寝床の環境が合わないなど、何かしらの不快感があるために鳴いて訴えているということも原因として考えられます。もしくは、認知症を発症しているのかもしれません。無駄吠えは、認知症のサインのひとつでもあります。

老犬が朝から晩まで無駄吠えをするようになると「しつけ方がよくなかったのか」と悩んでしまう飼い主さんもいるかもしれません。しかし、お伝えしてきたように、無駄吠えの原因はしつけとは関係ない場合が多いといえます。決して自分を責める必要はないのです。

無駄吠えする老犬の接し方・注意点


では、老犬が無駄吠えをするようになったら、どのように接していけばいいのでしょうか。まず心がけたいのは、叱らないことです。いくらかわいい愛犬とはいえ、時間の区別なく吠えられ続けると、次第にイライラしてくることがあります。特に「静かにしていてほしい」「ご近所の手前もある」といった思いが強くなると、きつく叱りたくなることもあるでしょう。

しかし、老犬にとって叱られることは大きなストレスにつながりかねません。ストレスを感じてしまうと逆効果となり、これまで以上に無駄吠えがひどくなる可能性があります。愛犬は愛犬なりに原因があって鳴いているのだと理解し、その気持ちに寄り添ってあげようとする姿勢が大切です。

そのうえで、食欲は落ちていないか、便の状態に変わりはないか、触れると痛そうな素振りを見せる箇所はないかなど、体調面をチェックしてみてください。そして、何か気になることがあったら、獣医師に診察してもらいましょう。もしかしたら病気など、鳴く原因となっていることが見つかるかもしれません。

老犬の無駄吠えをやめさせる方法はある?


無駄吠えの原因がはっきりわかれば、その原因を取り除くことで無駄吠えをしなくなる可能性があります。必ずやめるとは言いきれませんが、愛犬の気持ちを考えながら次のことに取り組んでみてはいかがでしょうか。

ひとつは、触れ合う時間を増やすことです。不安や寂しさを感じているときはもちろん、そうではなくても、一緒にいると愛犬の気持ちも安定することでしょう。マッサージや日光浴をしたり、無理のない範囲で遊んだりという時間を積極的に持ってみてください。

次に、ベッドや生活スペースなどの環境を見直してみましょう。つい汚れたままにしているところはないか、マットなどの素材が老いた体に合わなくなってはいないか、温度や湿度は快適に保てているかといったことをチェックしてみます。それまでは軽々と乗り越えられていた室内の段差が、年をとってつらくなっているということもあるかもしれません。

どうしても無駄吠えがおさまらないときは、獣医師に相談することも考えてみましょう。ケガや病気が見つかれば治療をしてもらえますし、それで無駄吠えをしなくなることもあるかもしれません。万が一、認知症と診断された場合でもアドバイスがもらえますし、老犬が気持ちを落ち着かせるための薬を処方してもらえることもあります。


お伝えしたように、老犬の無駄吠えは、何かしらの原因があって起こります。ただし原因はひとつではありませんし、複数が絡み合っていることもよくある話です。飼い主さんもストレスをためないようにしながら、この記事を参考にしてケアをしてみてください。
「老犬の夜鳴きは病気のサイン? 原因や対処法など」「老犬の認知症はどんな症状? 予防と対処についても解説」の記事も参考になると思いますので、ぜひご一読ください。
監修者プロフィール

牛尾 拓(ウシオ タク)

経歴:岩手大学農学部獣医学課程卒業。動物病院勤務、製薬会社の学術職などを経て株式会社V and P入社
保有資格:獣医師免許

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