猫のてんかんの原因は? 症状・対処法や治療方法など

2023.01.28
猫のてんかんの原因は? 症状・対処法や治療方法など

急に体がけいれんしたり、意識を失ったりするなどの症状が出るてんかん。猫もてんかんの発作を起こすことがあります。いつもとは違う様子を目の当たりにすると飼い主さんは動揺してしまいがちですが、落ち着いて対処するためにもてんかんについての基本的な知識を身につけておきましょう。この記事で、猫のてんかんの原因、症状、対処法や治療法について説明しますので、お役立てください。



目次


猫の「てんかん」「てんかん発作」ってどんな病気?


まず、猫の「てんかん」「てんかん発作」がどのような病気か、確認しておきましょう。「てんかん」もしくは「てんかん発作」は、脳が発する電気信号に異常が生じ、全身または体の一部に、けいれんや手足の突っ張りなどの発作症状が出る病気です。


どのような症状が出るか、起こる頻度や間隔は猫によって異なりますが、多くの場合、発作は30秒~1分程度でおさまり、落ち着きを取り戻します。ただ、時として発作が長引くことがあり、その場合は注意が必要です。


いきなり目の前で愛猫がけいれんを起こしたり手足を突っ張らせたりすると、多くの飼い主さんは驚き慌ててしまいます。しかし、この後で説明するように、てんかんでは落ち着いて対処することが何よりも大切です。



猫のてんかんの原因


てんかんはどうして起こるのか、まずはその原因を見ていきましょう。猫のてんかんの原因は大きくふたつに分けることができ、それによって診断される病名も変わります。「症候性てんかん」と「特発性てんかん」です。


「症候性てんかん」は、脳腫瘍や脳炎、外傷による脳の損傷、水頭症のような脳の病気、感染症による脳の障害など、何かしら脳に異常が起きたことが原因の病名、「特発性てんかん」は、前述したような具体的な原因が見当たらないのに、てんかん発作を起こしたときの病名になります。「特発性てんかん」の原因は遺伝説が有力ですが、はっきりしたことはまだわかっていないというのが実情です。


ちなみに、犬の場合は「特発性てんかん」が当てはまるケースが多いとされていますが、猫の場合は、原因のはっきりしている「症候性てんかん」であるケースが多いとされています。



猫のてんかんの症状


いざというときに慌てることのないよう、猫のてんかんの具体的な症状についても確認しておきましょう。


わかりやすいのが、硬直やけいれんです。症状は全身に及ぶこともあれば体の一部分だけのことも。苦しそうに手足をばたつかせることもあります。また、目の焦点が定まらずにふらふらしたり、意識をなくして倒れたりする、よだれがだらだら流れ出る、口から泡を吹く、失禁などもてんかんの症状です。


発作は、おさまってしまえば「さっきの姿は何だったんだろう?」と思えるほど、いつもと変わらない様子に戻ります。とはいえ、てんかんは脳の機能に関わる病気です。元に戻ったから治ったというわけではありません。発作を起こした後は、できるだけ早く獣医師の診察を受けることを忘れないようにしましょう。



愛猫がてんかん発作を起こしたときの対処法


愛猫がてんかん発作を起こしたときは、冷静に対処することが何よりも大切です。それが愛猫のためでもあります。具体的には、次のことを意識してください。


発作を起こしているときには、抱きしめる、体をゆする、声をかけるといった余計な刺激を与えることは厳禁です。うかつに手を出すことは愛猫のためになりませんし、噛みつかれる危険性もあります。もし、落ちたら危ない場所で発作を起こしたら、そのときは安全な場所におろしてあげましょう。また、移動できる家具は移動するなどして、愛猫がケガをすることのないよう安全なスペースを確保してください。


発作後の診察では、発作の継続時間が非常に重要な情報になります。発作が起きたら、時間を計っておきましょう。そのうえで、具体的にどのような症状が出たのか、意識はあったのか、失禁は見られたかなど、発作中の様子を簡潔にまとめてください。可能であれば動画を撮影しておくと、獣医師も状況を把握しやすくなります。発作がおさまり落ち着きを取り戻したら、それらの情報を持って、必ず動物病院を受診してください。



猫のてんかんの治療方法


動物病院を受診すると、獣医師は、問診、脳波の検査、血液検査、画像診断など必要な検査を経て、「症候性てんかん」か「特発性てんかん」かの判断をします。治療方法は、その結果によって異なりますが、「症候性てんかん」の場合は、脳腫瘍など、原因となっている病気の治療を始めることが基本です。抗てんかん薬などを使い、発作をコントロールする場合もあります。


原因が特定できない「特発性てんかん」の治療は、抗てんかん薬を使うことが基本です。発作の起こる頻度が減ってくれば経過観察になることもありますが、基本的には生涯に渡って薬を飲みながら見守っていくことになります。



愛猫がてんかん発作を起こすと、以前に経験があった飼い主さんであっても驚いて慌ててしまうものです。しかし、大切なのは愛猫の様子を冷静に観察すること。受診したとき、獣医師にできるだけ正確な情報を伝えられるように、落ち着いて対処しましょう。


 

監修者プロフィール

牛尾 拓(ウシオ タク)

経歴:岩手大学農学部獣医学課程卒業。動物病院勤務、製薬会社の学術職などを経て株式会社V and P入社
保有資格:獣医師免許

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